CORNELIUS「“SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”」特集
フリッパーズギター解散後、1993年に“CORNELIUS”としてソロの活動を開始した小山田圭吾。HDR(ハードディスク・レコーディング)の導入でHR/HMを大胆にカットアップして見せた「69 96」(1996)、バイノーラル・マイクを使用したレコーディングでステレオ音の定位をねじりまくった「FANTASMA」(1997)、無駄な音を一切排除し“点”と“間”を感じさせるミニマルなサウンドスケープで別次元の音世界を切り開いた「POINT」(2001)と、ポップセンスを内包しつつも先鋭的で実験性に富んだ傑作を次々とリリース。 「FANTASMA」以降は海外でもリリースされ、BECK、BLUR、MOBY、TAHITI80、COLDCUT、STINGなど大物アーティストたちからのリミックス依頼も殺到、数多くの海外ライブ / ツアーもこなし、ワールドワイドに活躍してきたアーティストだ。 そんなCORNELIUSが2006年10月、オリジナルアルバムとしては実に5年振りとなる「SENSUOUS」をリリース。これまでの実験的手法に加え“超”高音質でレコーディングされた音の粒に、ふたたび“歌”を大胆にフィーチャーした、進化し続けるサウンド・ジャーニーを体験させてくれる名盤の登場は、世界中の音楽ファンの話題を独占した。 いきなりの私事で恐縮だが、僕の個人的ベストアルバムオブジイヤー2006も、もちろん「SENSUOUS」だった。オリジナルアルバムが5年振り、というトピックにもワクワクさせられたし、期待を裏切らない出色の出来だったアルバムにももちろん満足したし…。 さらに先行シングル「MUSIC」「BREEZIN'」がリリースされた時は、音での楽しみのみならず、PVで見ることができる、より進化した映像とのコラボレーションにもハマった。 そしてついに発表された、ライブだ! THE CORNELIUS GROUP “SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”と名づけられたツアー、もう、タイトルからしてヤバイ。前作「POINT」のツアーからさらに進化しているであろう、音と映像が一体化するライブ…。 ……いや〜、とにかく、最高でした!!!
THE CORNELIUS GROUP “SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”
2007年3月9日@恵比寿リキッドルーム ウェブ独占ライブレポート
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“こ・ん・ば・ん・わ! マイケル・ジャクソン!? ”

2007年3月9日、東京、恵比寿リキッドルーム。オープニングアクトは、バンド名だけでオープニングの座を射止めた(!?)でぶコーネリアス。メンバーのひとりが当日卒業式を迎えたという、現役高校生バンドだ。このバンド、初めて見たけどなかなか面白かった。卒業証書が乱れ飛び、1曲30秒足らずの超ファスト・ナンバーも怖気づくことなく披露するハードコアバンド。意外にもオープニングを盛り上げてくれた(笑)。
その後、スクリーンの役割を担うステージを覆いつくす大きな白い布に「SENSUOUS」のジャケットで見ることができる黄、白、赤、青の4色がカラーバーとなって映し出されること数分…、ギターの音が突然鳴り始める。ん!? どっかで聴いたフレーズ…、あ!(当時)話題の40万チケットで来日中のマイコーだ(笑)! マイケル・ジャクソンネタを何曲か弾いた後は…スーパーマリオ! まったく、サウンドチェックも楽しませてくれるな〜。
笑いながら見ていると各楽器が入ってだんだんとジャムセッションのような演奏になっていってる。そして、カラーバーの動きと演奏が静かに重なり合って……。
スクリーンに映し出される“こ”“ん”“ば”“ん”“わ”の文字&メンバーが交互に発する声と演奏が完全にシンクロしちゃってるよ!
幕が落ち、イントロのシンセが鳴り響く。THE CORNELIUS GROUP “SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”は「BREEZIN'」からスタート! 完璧なオープニング!
ステージ後方には、大きなLED蛍光灯。そしてメンバーそれぞれにさまざまな大きさのウインドチャイムが設置されている。アルバム「SENSUOUS」でも象徴的に使われていたウインドチャイムだけど、まさか全メンバーが使うとはね。ひとつのステージにこんなに多くのウインドチャイムが載ってるの初めて見たかも。
さて、高校の制服のようなユニホーム姿で登場した4人は…、salyu、Polaris、くるり、スガシカオなどでも活躍するスーパードラマー=あらきゆうこ(Dr&Fl)。Chara、カヒミ・カリイ、Bonnie Pink、、Coba、レミオロメン、堂本剛などのライブでもおなじみのギタリスト=清水ひろたか(Gt&Bs)。自身のユニットNEIL AND IRAIZAのほか、サディスティック・ミカ・バンド、Low IQ 01、Love Psychedelicoなどでも変幻自在のプレイを聴かせるキーボーディスト=堀江博久(Key&Gt)。そしてCORNELIUS=小山田圭吾だ!
“なんなの? この気持ちの良いシンクロ具合は!”

さて、肝心のライブのほうはというと…、“SYNCHRONIZED SHOW”の名に恥じない、音楽&映像&照明のシンクロ具合が凄いライブ! バンド以外はデジタルなんだけど、デジタルがバンドの生音に合わせている? みたいな錯覚を覚えてしまった(実際、照明はプログラミングのほかにリアルタイムでオペレートしていた)。
「SMOKE」のイントロでは、ステージから客席に向けられたビデオカメラでリアルタイムに映像をサンプリング&加工してスクリーンに映し、「DROP」では、オーディエンスをステージに上げ、テルミンを演奏させたり…。
もちろん「GUM」「COUNT FIVE OR SIX」「I HATE HATE」等のパンキッシュなナンバーで、フロアに瞬間的な沸点を与えることも忘れない。
ミラーボールが回り、ドリーミーなフロアを作り出した「Star Fruits Surf Rider」。キラキラと幻想的な世界に引きずり込まれていく「TONE TWILIGHT ZONE」「LIKE A ROLLING STONE」。
演奏と映像との同期に思わず息を呑んだ「Fit Song」も圧巻だ。ちなみに、この「Fit Song」のミュージックビデオは、第10回文化庁メディア芸術祭・エンターテインメント部門の“優秀賞”を受賞している。本当に素晴らしい作品なんだけど、映像監督は辻川幸一郎、もちろん、CORNELIUSのツアー映像も辻川氏が手がけている。巨大プロジェクターとLEDライトを持ち込み、バンドとの完璧なシンクロによって魅せるショー…、フロアが幸福な空気で包み込まれる空間。ジワジワと効いてくる素晴らしい演出の数々…。
サイケデリックでロマンティック、おもちゃ箱をひっくり返したような、ドリーミーな遊園地もそろそろ閉演。最後はアルバムのオープニングナンバー「sensonus」。バンドアレンジされたバージョンで本編が終了した。
アンコールでは、メンバーが「写真撮らせて」とステージ上から客席をバックに記念写真の撮影タ〜イム。あれ? “でぶコーネリアス”の卒業証書もばっちり入ってる(笑)!
そして…、優しいボコーダ・ボイスとあらきさんのフルート、宇宙の深い海へと眠りに就く赤ちゃんの映像が印象的な「Sleep Worm」でこの日のライブは幕を閉じた。
最後はやっぱり…
THE CORNELIUS GROUP “SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”
Thank You and Good Night!!!
from Nakameguro to Everywhere.
………
“ウインドチャイムの音色が、まだ鳴ってる…”

ライブが終わって何日か経っても、色褪せないんだ。なんでだろう?
4色のカーテン、ミラーボールのキラキラ感。夢の世界の遊園地に遊びに行ったような気分!? あるいは子供の頃の駄菓子屋!? 映像、照明、ライブパフォーマンスも色とりどり、さまざまな角度で楽しめた。こっちの気分や考え方次第で、いろんな見かた、聴きかたができるっていうか。いやー、ホントもう1回見たいわ〜。
最新の技術とかコンピュータとか、いろいろと使ってるんだろうけど、ただ単に“最新です”みたいに技術をひけらかすのではなく、あくまでも“見せたいもの”“やりたいこと”のためのツールとしての使い方で、オーディエンスは、ただ楽しんだり、驚いたり、感動したり…っていう。そこはある意味プロなのかもしれないけど、でも本人たちも演ってて相当楽しいんじゃないかな、これは。
クラブの現場で行われている映像や照明の使い方だとか、古いバンドで言ったら、ピンクフロイドの照明演出とか…これはもうロックバンドのライブじゃない、とんでもない“SHOW”だったんだ。ウインドチャイムの音色が、まだ鳴ってる…。

さて、4月〜5月にかけては、アメリカ〜ヨーロッパツアーも決定した、THE CORNELIUS GROUP。このパフォーマンス(演出込み)を世界中で演るってのは…ホントすごい! 海外のライブでも、フロアに驚きと幸福が訪れることは間違いない、と思う。
あ、そうそう、まともなMCは「どうもありがとう」だけでした!
でも、ほかに特にいらなかったね。
<ライブ・レポート・文 / ヤマ・ヘンドリクス>
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- Photographer 棚橋 亮(ryo TANAHASHI)
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Cornelius 作品情報

「SENSUOUS」
2006年10月25日発売
・WPCL-10367 \2,940(tax in)
「SENSUOUS」収録曲
-
- 1.Sensuous
- 2.Fit Song
- 3.Breezin'
- 4.Toner
- 5.Wataridori
- 6.Gum
- 7.Scum
- 8.Omstart
- 9.Beep it
- 10.Like a Rolling Stone
- 11.Music
- 12.Sleep Warm















