ボブ・ゲルドフ
80年代の大救済ブームの仕掛人、っていったら言葉は悪いが、あの世界規模のムーヴメントはこの人なしには有り得なかったのも事実。しかしそのおかげで、ボブ・ゲルドフは歌手としてよりも、聖人君主的な"チャリティ・マン"として知られるようになってしまった。そもそも彼のキャリアはニューウェイヴ・バンド、ブームタウン・ラッツのヴォーカルとしてスタート。激しすぎるパフォーマンスで大いに注目を集めたが、同時に元ジャーナリストという履歴をもち、歌詞などでみせるインテリジェンスな側面も魅力だった。出世作で、少女のライフル乱射事件を扱った「I Don't Like Mondays(哀愁のマンデイ)」が良い例。バンド・エイド以前に社会派シンガーのイメージを確立していたのだ。ソロ・アーティストとしては86年、ブームの渦中に1作目『Deep In The Heart Of Nowhere』を発表。その後2作目『The Vegetarians Of Love』(90年)を経て、アイリッシュ・フォーキー路線(?)の傑作『The Happy Club』(93年)に辿り着く。しかし、セールス的にはどれも惨敗。私生活での不幸も重なり、しばらくは隠匿生活を送っていたが01年には『Sex, Age & Death』で復活を果たし、より含蓄のある歌を聴かせるようになった。"チャリティ"云々だけで語るのは、もったいないアーティストである。
作品情報(CD) - ボブ・ゲルドフ
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